ふたりはともかくも調べ始めた。単純な作業を繰り返しながら、
竜司は浅川に聞かれるままこんなファイルがなぜ存在するのか、そ
の理由を説明した。
超自然現象に興味を抱いた三浦博士は、一九五〇年代に入ってか
ら、超能力を使った実験を試みるが、なかなか安定した結果が出な
いために科学的な理論を生むに至らないでいた。透視能力において
も、今さっきまでできたことが公衆の面前ではできなくなったりと
むらが多い。こういった能力を発揮するには、かなりの集中力が必
要なのはわかる。しかし、三浦博士が求めているのはいつどのよう
な場合においても能力を発揮できる人物であった。ちゃんとした立
ち会い人の前で失敗などしたら、三浦自身がペテン師呼ばわりされ
るのは目に見えている。そこで、三浦博士は、世の中にはまだ埋も
れている超能力者がいるに違いないという確信のもと、超能力者の
発見に努めることにしたのだ。ところで、どんな方法でこれを捜せ
ばいいのか。まさか、ひとりひとり面会して、透視能力、予知能
力、念動能力などを調べるわけにもいかない。そこで彼が考え出し
たのは、可能性があると思われた人物のもとに厳重に封印されたフ
ィルムを郵送し、そこに指定した図柄を念写し密封状態のままで送
り返してもらう方法である。これならば、相手が遠隔地にいても能
力を試すことができる。しかも、念写能力というのはかなり基本的
な力であって、この能力を持つ者は同時に予知あるいは透視能力を
持つことが多い。一九五六年、三浦博士は出版社や新聞社にいる教
え子たちの力を借りて、全国から広く能力者を募集し始めた。教え
子たちはネットワークを張り巡らし、能力のありそうな人間の
うわさ
噂を
聞きつけると、それを三浦博士に報告した。しかし、送り返された
封書を調べても、確かに能力ありと思われたのは全体の約一割に過
ぎず、ほとんどのフィルムは封をじょうずに切って擦り替えられて
いた。明らかにトリックとわかるものはその場で破り捨て、どちら